人の体臭は、食べ物、ホルモン、汗の分量などによって、それぞれに個性を発揮します。

香りの性質について

香りやにおいの届く距離

においが届く距離は、そのにおいの濃度や性質によって違います。揮発性の強いものは、広がりやすい性質をもちます。そして、濃度が濃いにおいは、強烈ににおいを発揮しやすい性質があります。においの強さを表すときの基準として使われる数値として、閾値があります。においが生じるために必要な、におい物質の最小濃度を示したもので、容積の割合で割られるものです。

メタノール(100.0ppm)、アセトン(100.0ppm)などの甘いにおいや、アンモニア(46.8ppm)や、ジメチルアセトアミド(46.8ppm)、ジメチルホルムアミド(100.0ppm)のような刺激臭において闘値が高い傾向があるようです。反対にメチルメルカプタン(0.0021ppm)のよ
うに刺激がある硫黄臭や、トリメチルアミン(0.00021ppm)刺激ある魚臭は闇値が低いです。こうしたにおいは感じやすいため、ヒトに認知されやすい=広がりやすいという見方もあります。

しかし嗅覚というのは、その人の体調、精神状態などによって影響がでます。文献などに掲載されている闘値もそれぞれにばらつきがあり、大きいときには1桁、濃度でいえば1万倍から10万倍の差がでることもあります。

そのためガスなどの無臭の気体は、誰でもすぐにガス漏れの危険に気づくようにわざとにおいづけしています。

都市ガスやプロパンガスでは、タマネギや卵の腐ったようなにおいをつけています。タマネギのにおいはターシャリープチルメルカプタン(タマネギの腐ったようなにおい)、ジメチルサルフアイド(ニンニクのようなにおい)、テトラヒドロチオフェン(昔の石炭ガスのようなにおい)がつけられています。

このにおいの選択基準は、微量でも漏れたときにすぐに気づくように、でも気持ち悪くなったり健康を害するにおいではいけません。そして火で燃やせば完全燃焼し、燃焼後は無臭かつ有害な物質を発生しないもの、という視点で選ばれています。

あとは風の向きや強さによります。そのとき微風でもあれば、それに乗ってにおいが拡散していきます。

妙だなと思ったら、風上へ逃げましょう。 


香りの効果的な取り入れ方

海外の免税店で買ったときはいい香りだった高級ブランドの香水。でも日本でつけるとなにか違う。よくありかちな話ですが、まず海外と高温多湿の日本では温度や湿度などの環境が違います、香水の原料となる香料は多くが揮発性の高い化学成分です。温度が高いとすぐに香りが飛んでしまいますが、湿度が高いと定着してとどまります。環境条件によって、若干香り方の違いがでます。

しかし、いちばん大きな違いはヒトの体温など体質の個人差とつけ方の問題です。まず個人差ですが、ヒトの食習慣や遺伝子、その他の習慣により、体臭に差が現われます。体温や皮膚表面上の湿度、また皮膚の性質にもよります。肌の酸性度・水分量・皮脂量から肌を構成するタンパク質なども、個人的な変化の要因として考えられます。

これらのさまざまな要因が加味されて、同じ香水でも香り方に違いが生じるのです。小さいサイズでお試し用の商品がたくさんでていますので、初めはこちらでいろいろと体の部分につけてみて、様子をみてはいかがでしょう?

香水のおもな性質である揮発注を考えて、効果的なつけ方として、一般的には体温が高く脈打っているところにつけるのが推奨されています。特に温度が高いといわれているひじの内側が、強すぎもせず遠すぎもせずに、ほどよい距離からヒトの鼻の位置に香りが漂い、意外におすすめの部位です。

ただ、体温が高いヒトはつけるとすぐに香りやすいので、腰や足のひざの裏側や足首などにつけるぐらいが、ちょうどいいでしょう。体温が低いヒトで強く香ってもだいじょうぶな人は、耳の裏側や首筋などの上半身につけると、鼻に近いため強く香りを感じます。一般的に腰やひざの裏側や足首などの下半身につけると、強めのにおいをやわらげて漂わせることもできます。香水の

種類や自分の体温・体調、当日の状況などに合わせて、試してみてください。

お出かけの30分前につけておくと、出かけるころまでにマイルドに香るようになっています。また、香水をシュッと吹きかけたあとをくぐるようにして身につけるのも、自然なつけ方とされています。しかしそのように衣服につけた場合に1つ問題があります。ほのかに香らせる調整がつく反面、香水は油分ですから、衣服にシミなどができる場合がありますので、注意が必要です。

また香りは時間により変化します。つけてから10分前後の香りをトップ・ノート。 20~30分前後をミドル・ノート。消えてしまうまでをラスト・ノート。このように3回香りが変化します。

アロマテラピーオイルの場合は、もっと手軽に楽しめます。ただし、そのまま体につけることは絶対に避けて、ホホバオイルなどの希釈オイルで薄めてから肌につけるようにしてください。またアレルギーがあるヒトは、事前にパッチテストもお忘れなく。そのまま使うときは、そっとハンカチなどに数滴落として使うと。ひそやかに奥ゆかしく香ります。インドや日本のお香をあらかじめ衣服に焚きしめてから、それを着て出かけると、控えめな香りが漂い、粋に感じます。あと、どうしても香りをつける時間がないという場合、手を洗ったときにひじまで洗うと、自然に石鹸の香りを漂わせることができます。

香りの変わりようや早さは、濃度や商品によります。自分か納得するつけ方をいろいろと試して、香りを楽しんでください。

また香水を選ぶときは、時間の経過を待つ前にいろいろ嗅いで探すために、トップ・ノートで選んでしまうことが多くなります、じっくり時間をかけて選んでください。


なぜ人によって同じにおいで感じ方が違うのか

「烈火のごとく燃え盛るベンチに座る1秒は永遠に続<ように長いが、好きな子の隣に座る1時間はあっという間に過ぎてしまう」

アインシュタインの相対性理論によくたとえられる時間感覚は、におい感覚においても同様のことがいえます。においは五感の中でも視床を通過しないで脳へ刺激が伝わる、記憶直結型の感覚です。そのため、ヒトの感情や環境にその感じ方が左右されやすいのです。さらに、においが濃度によって変化することも、ことを複雑化しているようです。

まず、においはそのときの状況によって変化します。好きな相手に告白された場所が、硫黄臭がきつい温泉の源泉の裏川土手でも、そのうれしさにいい思い出とともに記憶され、ひどい悪臭が何割かマシなにおいになっているかもしれません。これらは嗅覚異常が先天的なものでなくても、ヒトの悪臭に対する許容範囲の差はこのような経験によって大きく異なります。

また、においに対しては、たくさんのにおいを嗅いできたという経験値によっても違うでしょう。これは言語表現力にも左右されます。バラの花の甘い香りもクチナシの甘い香りも、バラ特有の高貴な香りと、クチナシのお菓子のような甘い香りが嗅ぎ分けられない場合、「花の粘りつくような甘い香り」といっしょくたに表現されるのではないでしょうか?

悪臭か芳香かの分かれ目は、ヒトの好みや記憶により左右され、はっきりとした線引きがしにくい分野です。しかし実際にいい香りよりも悪臭に軍配があがったという実験があるのです。一般的にラベンダーなどの香りが脳を覚醒させ、作業効率に寄与するという事実から実験をしてみると、その反対に靴下の蒸れ臭を嗅がせたほうが、ストレスから早く逃げたいがために作業が早く進んだ、という期待を裏切る結果もあります。  

香りの経験則と言葉による表現というと、思いつく職業がソムリエです。レストランで料理に合うワインを選ぶこの職業は、世界にある数え切れないワインの味を知り、料理にベストマッチの1本をセレクトする職業です。赤ワイン=肉、白ワイン=魚介類、デザートワイン=ドイツの貴腐ワインなどの簡単なセレクトはいうにおよばず、その料理の材質・料理方法・ソースなどの情報からベストマッチの1本を選択します。そしてワインを紹介するときこ必要なのが、ワインの芳香の説明です。 

また、今度はふられたときに、たとえば柑橘系のさわやかな香りが漂っていると、「ふられた」という切ない記憶が呼び起こされるので、柑橘系の香りがさわやかで万人に愛されていても、自分は嫌いになるという現象もあります。

ソムリエによる香りの表現について、米国のカリフォルニア大学デービス校では、ワインの醸造学研究の一環として、ワインの香りを形容する言葉を分類しています。それは、果物や花・香辛料・野菜・木・土・化学物質などに分けられています。「野菜の香りは草刈り後の草」「乾燥野菜の香りは麦わら」「土の香りはホコリ」「硫黄類の香りは濡れたイヌの香り」と、とうてい日本人には理解できなそうな形容も多いのが特徴です。米国と日本人の香りに対する認識の差を実感できます。

一方で、日本を代表する酒、日本酒にはそれほど多くの形容詞はありません。すっきりとして辛口、などの表現が代表的で、以下、さわやか・コクがある・きれがある・やや辛・甘口・中辛・やや甘い、などです。それが酵母になると、とても饒舌になります。日本酒は酵母によってその香りが大きく変化するために酵母には[酵母6号・601号=澄んだ香り。おとなしい]、「酵母7号・701号=少しフローラル。くせがない」など、それぞれ番号がふられ、その香りの性質が語られています。これを聞くと酵母も1つひとつ生きていて、それに杜氏が語りかけているイメージが湧きます。日本酒がとても身近な存在に感じられてきますね。

そしてにおい自身の濃度の問題です。ヒトによって酪酸臭や靴下の蒸れる臭いなどがいい香りという、においの許容範囲を示すほかににおいが濃度によって性質の変化を起こすことです。

スカトールといった糞臭は誰が嗅いでも悪臭の1つです。しかし、だんだんと濃度を薄めていくと、ジャスミンの香りに大変化します。なんという不思議なにおいの世界。でもふだんから悪臭がしたり、悪臭が香るはずの場所でにおいが感じられなかったら、鼻腔内になんらかのトラブルが発生している可能性があります。


香り成分の中で有害なものとは

においの成分で、人体に害を与えるなどの危険性があるもの。1つはその濃度によります。たとえばアンモニア。尿の臭いに代表されるこのにおいは、濃度が高いと強い刺激臭となって、涙はでるし、鼻の奥に痛みを感じます。不快なにおいのうえに痛みときたらたまったものではありません。このほかに壁紙や家具に含まれるホルマリンやホルムアルデヒド、濃度が高いと危険な状態になるにおいには卵の腐ったようなにおいの硫化水素、シンナーのメチルイソブチルケトンやガソリンのトルエンなどの石油系化学物質など、いずれも猛毒・有害に指定されています。このような異臭がしたら気をつけましょう。

そして嗅覚だけではなく、視覚・聴覚・味覚・触覚などの五感や三叉神経が反応するように刺激が強くなると痛みが生じます。その理由は痛みを感じるのは神経だからです。特に三叉神経は鼻の周囲にあり、顔に対する刺激にはすばやく反応するからです。チック症など顔面神経痛も、この三叉神経の異常で起こります。目や耳、鼻、舌などの感覚細胞自体も強い刺激は痛みととらえるうえに、近くには三叉神経のネットワークが張りめぐらされており、おもに光や音、においなどの強い刺激に反応して、体を守ろうとするのです。

次に、身近ないい香りの中の危険性ですが、アロマテラピーオイル(精油)があります。手軽に気分転換できる精油は、もうすっかり家庭の定番です。ただこの精油は、取り扱いに注意が必要なことをご存じでしょうか? 精油は、直接肌に塗布してはいけません。肌につけて使用する場合には、かならずホホバやアーモンドなどの希釈オイルで薄めてから使用をすること。アレルギーやかぶれの原因になります。また精油の中には代謝促進や解毒・排出の作用があるものがあります。こうした精油を妊婦が使うことは禁忌とされています。取り扱いには十分な注意をしてください。アロマテラピー療法が、医療として認められている国もありますが、日本ではまだ治療というよりは民間療法の位置づけです。精油も国が規格を定めているわけではなく、雑貨店ですぐに販売できる「雑貨」の扱いです。

アロマテラピーオイルの精製方法には、大きく分けて以下の5つがあります。

  1. 水蒸気蒸留法
  2. 油脂吸着法
  3. 冷浸法
  4. 溶剤抽出法
  5. 圧搾法

広範な沸点分布をもつ精油成分を一度に留出させるには、水蒸気蒸留が適しているため、多くが1.の水蒸気蒸留法で精製されています。一方で、100℃以上の熱がかかるので、熱による変質が起こる精油の採油方法として疑問視されていることもあります。 次に、2.の油脂吸着法です。これは脱臭した動物の油脂などに植物を添加して精油を吸着させてから、エタノールで精油のみを油脂から抽出する古典的な方法です。また、古代エジプトの時代から行われていた熱を加える温浸法(マセラシオン)と、ルネッサンス期に開発された室温で行う3.の冷浸法(アンフルラージュ)があります。精油を吸着した油脂はポマードといい、そこからエタノールで抽出された精油はエキストラクト(エキス)、さらにそこからエタノールを蒸発させて除去したものは、アブソリュートと呼ばれます。

3.の冷浸法では、熱による変質のない非常に高品質な精油が得られます。しかし、時間と手間がかかりすぎて現在では行われて
いません。

冷浸法はジャスミンやバラなど、おもに花から精油を抽出する場合に使われる方法です。

4.の溶剤抽出法で、有機溶剤に溶けだしたものから得られるワックスは、コンクリートと呼ばれます。芳香成分はこのコンクリートに含まれています。食品用途のものはオレオレジン、化粧品用途のものはレジノイドと呼ばれます。コンクリートからエチルアルコールによって香気成分を抽出すると、溶剤を除くことができます。この方法で取りだした精油は、吸着法と同様にアブソリ ユートと呼ばれます。バニラなどでは、たんにエタノールで抽出してそのままエタノールを除去しないものもあり、これはティンクチャー(チンキ)といいます。

吸着法と抽出法で得られるエキストラクト、アブソリュート、コンクリート、オレオレジン、レジノイド、ティンクチャーはエキストラクト(エキス)と総称されます。 溶剤抽出法は熱の影響を受けないため、ローズやジャスミンなどの微妙な花の香りを得るにはよい方法です。ただ溶剤が少し残る場合もあり、アブソリュートを「精油」と区別する考え方もあります。

5.の圧搾法は柑橘類の果皮に圧力を加えて油胞をつぶすことで、精油を取りだします。果皮を絞るスクイーズ法と、果皮をおろし金のようなもので擦るエキュエル法があります。現在では機械化がなされており、果汁といっしょに絞る方法もあります。 D-リモネンなどのテルペン類は熱による香調の劣化が激しいので、圧力をかけるときに発生するわずかな熱から香気成分を守るために、その際に冷却しながら圧搾処理することがあります。冷却圧搾で得られた精油は特にコールド・プレスと呼ばれます。

熱による変質を受けにくいので、自然のままの香気を保てる一方、ほかの精油製造法に比べて不純物が混ざる可能性が高く、精油の品質の劣化が早いことが欠点です。

以上、抽出方法を述べてきましたが、精油が薄いぶんには身体への影響が薄いので、気がつかないために問題になりにくいかもしれませんが、それだと今度は製品としてどうかという不信感がつのります。認定された団体の精油を、使用法をよく読んで扱うのが無難でしょう。 


香りと食欲の関係について

味覚と嗅覚は密接な関係性で結ばれています。夏場に暑くて食欲が落ちているときでも、香ばしいスパイスのにおいがするカレーだったら、不思議と食べられたことはないでしょうか?

その証拠に、カレールーは夏場に売り上げが集中しています。

また、ふかふかの蒸しパンにチーズのにおいをわずかにつけると、急激に売り上げが伸びたという記録があります。特に女性客層の売り上げが伸びたそうです。

鼻をつまむと、リンゴを食べてもジャガイモを食べても、味に変わりがなく感じてしまいます。食べ物のにおいも、鼻から入って信号として脳に送られます。においと同時に食欲をつかさどる神経が指令をだすことで、唾液腺から唾液が分泌され、においや見た目による記憶がよみがえり、レストランで料理を見たときに「おいしそう□という感情がわき起こるのでしょう。

これについて、小学生にもわかるジュースの実験があります。簡単にできるオレンジジュースのつくり方です。水道水に砂糖とオレンジフレーバー、少々のクェン酸を入れて、マドラーでくるくるかき混ぜるだけで、できあがります。飲んでみるとまさにオレンジジュースそのものの味。 ドリンクをこうしてそれぞれの構成成分ごとに分解すると、ふだん私たちは気づかないうちに嗅覚と味覚の両方で、食べ物や飲み物を味わっているということがよくわかります。

これに食感を組み合わせたのが、「プリンに醤油をかけるとウニになる」などの錯覚グルメ(?)です。舌の上でとろける食感・甘み・旨味・コクの点では若干ウニにおよびませんが、卵のコクと旨味をもつプリンに、塩味の醤油がみごとにウニの味覚組成を再現しているのです。一見邪道に思える食の組み合わせが、その基本構造を再現していることに驚くばかりです。ただ、ウニの磯くささの再現性についての判断は、微妙といえそうです。

さて、味覚と表裏一体の嗅覚です。これを逆手に取ればダイエットができそうですが、どうでしょうか? 無臭なものを食べても食欲増進するエッセンスのにおいが欠けるのですから、自然と食欲は落ちますよね。ただ、唾液の分泌が低下して消化吸収も落ちそうで、健康維持の面からはあまりおすすめできそうにありません。悪臭を嗅ぐことも食欲減退に貢献することから、カロリー摂取を抑えられそうです。しかし、これは精神的にダメージが大きそうで、拒食症などの要因をつくりかねないので、やはりおすすめできません。

あとは食のマジックで、カロリ一減を目指して、塩味・脂肪分を抑えたい料理のときに利かせる小技としては、ハープを多く使うことです。香草の香りで、薄味でも脂肪分が少なくても、カロリーが低く少量でも満腹感を与えることができそうです。ただし、かなり料理のウデが問われそうです。

また、カモミールや緑茶などのリラックス成分を含むお茶を飲んで、ダイェット中の空腹のイラつきを抑えるという手もあります。どうしてもという場合には、食べ物の見た目の色を調理法で変えてみることや、食器の色を変えてみるなど色でくふうするのはどうでしょうか?

香りの中には近年、新たにやせる作用が研究成果として発表されたものがあります。たとえばラズベリーの香り成分には、脂肪燃焼作用が高いといわれているカプサイシンの約3倍の脂肪燃焼効果がある、というデータが発表されています。またほかのメーカーからは、グレープフルーツの香りは副交感神経刺激で食欲を抑えるとか、コショウやほかのハープには体内の中性脂肪を燃焼させる働きがあることなどが発表されています。どちらも体に塗るボディローションその他のスリミング商品などが発売されました。

その商品の効能に関してのデータは取られていないようなので実際にどのくらいの効能があるのかは明らかではありません、気になる方は、一度試してみてはいかがでしょうか?  


味覚と嗅覚との関係

味覚と嗅覚は密接な関係性で結ばれています。夏場に暑くて食欲が落ちているときでも、香ばしいスパイスのにおいがするカレーだったら、不思議と食べられたことはないでしょうか?その証拠に、カレールーは夏場に売り上げが集中しています。

また、ふかふかの蒸しパンにチーズのにおいをわずかにつけると、急激に売り上げが伸びたという記録があります。特に女性客層の売り上げが伸びたそうです。

鼻をつまむと、リンゴを食べてもジャガイモを食べても、味に変わりがなく感じてしまいます。食べ物のにおいも、鼻から人って信号として脳に送られます。においと同時に食欲をつかさどる神経が指令をだすことで、唾液腺から唾液が分泌され、においや見た目による記憶がよみがえり、レストランで料理を見たときに「おいしそう」という感情がわき起こるのでしょう。

これについて、小学生にもわかるジュースの実験があります、簡単にできるオレンジジュースのつくり方です。水道水に砂糖とオレンジフレーバー、少々のクエン酸を入れて、マドラーでくるくるかき混ぜるだけで、できあがります。飲んでみるとまさにオレンジジュースそのものの味。 ドリンクをこうしてそれぞれの構成成分ごとに分解すると、ふだん私たちは気づかないうちに嗅党と味覚の両方で、食べ物や飲み物を味わっているということがよくわかります。 

これに食感を組み合わせたのが、「プリンに醤油をかけるとウニになる」などの錯覚グルメ(?)です。舌の上でとろける食感・甘み・旨味・コクの点では若干ウニにおよびませんが、卵のコクと旨味をもつプリンに、塩味の醤油がみごとにウニの味覚組成を再現でいるのです。一見邪道に思える食の組み合わせが、その基本構造を再現していることに驚くばかりです。ただ、ウニの磯くきさの再現性についての判断は、微妙といえそうです。

さて、味覚と表裏一体の嗅覚です。これを逆手に取ればダイエットができそうですが、どうでしょうか? 無臭なものを食べても食欲増進するエッセンスのにおいが欠けるのですから、自然と食欲は落ちますよね。ただ、唾液の分泌が低下して消化吸収も落ちそうで、健康維持の面からはあまりおすすめできそうにありま
せん。悪臭を嗅ぐことも食欲減退に貢献することから、カロリー
摂取を抑えられそうです。しかし、これは精神的にダメージが大
きそうで、拒食症などの要因をつくりかねないので、やはりおす
すめできません。
 あとは食のマジックで、カロリ一減を目指して、塩味・脂肪分
を抑えたい料理のときに利かせる小技としては、ハープを多く使
うことです。香草の香りで、薄味でも脂肪分が少なくても、カロ
リーが低く少量でも満腹感を与えることができそうです。ただし
かなり料理のウデが問われそうです。
 また、カモミールや緑茶などのリラックス成分を含むお茶を飲
んで、ダイェット中の空腹のイラつきを抑えるという手もありま
す。どうしてもという場合には、食べ物の見た目の色を調理法で
変えてみることや、食器の色を変えてみるなど色でくふうするの
はどうでしょうか?
 香りの中には近年、新たにやせる作用が研究成果として発表
されたものがあります。たとえばラズベリーの香り成分には、脂
肪燃焼作用が高いといわれているカプサイシンの約3倍の脂肪燃
焼効果がある、というデータが発表されています。またほかのメ
-カーからは、グレープフルーツの香りは副交感神経刺激で食欲
を抑えるとか、コショウやほかのハープには体内の中性脂肪を燃
焼させる働きがあることなどが発表されています。どちらも体に
塗るボディローションその他のスリミング商品などが発売されま
した。
 その商品の効能に関してのデータは取られていないようなので、
実際にどのくらいの効能があるのかは明らかではありません。気
になる方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
 ちそうで、健康維持の面からはあまりおすすめできそうにありま
せん。悪臭を嗅ぐことも食欲減退に貢献することから、カロリー
摂取を抑えられそうです。しかし、これは精神的にダメージが大
きそうで、拒食症などの要因をつくりかねないので、やはりおす
すめできません。
 あとは食のマジックで、カロリ一減を目指して、塩味・脂肪分
を抑えたい料理のときに利かせる小技としては、ハープを多く使
うことです。香草の香りで、薄味でも脂肪分が少なくても、カロ
リーが低く少量でも満腹感を与えることができそうです。ただし
かなり料理のウデが問われそうです。
 また、カモミールや緑茶などのリラックス成分を含むお茶を飲
んで、ダイェット中の空腹のイラつきを抑えるという手もありま
す。どうしてもという場合には、食べ物の見た目の色を調理法で
変えてみることや、食器の色を変えてみるなど色でくふうするの
はどうでしょうか?
 香りの中には近年、新たにやせる作用が研究成果として発表
されたものがあります。たとえばラズベリーの香り成分には、脂
肪燃焼作用が高いといわれているカプサイシンの約3倍の脂肪燃
焼効果がある、というデータが発表されています。またほかのメ
-カーからは、グレープフルーツの香りは副交感神経刺激で食欲
を抑えるとか、コショウやほかのハープには体内の中性脂肪を燃
焼させる働きがあることなどが発表されています。どちらも体に
塗るボディローションその他のスリミング商品などが発売されま
した。
 その商品の効能に関してのデータは取られていないようなので、
実際にどのくらいの効能があるのかは明らかではありません。気
になる方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
  
ちそうで、健康維持の面からはあまりおすすめできそうにありません。悪臭を嗅ぐことも食欲減退に貢献することから、カロリー摂取を抑えられそうです。しかし、これは精神的にダメージが大きそうで、拒食症などの要因をつくりかねないので、やはりおすすめできません。

あとは食のマジックで、カロリ一減を目指して、塩味・脂肪分を抑えたい料理のときに利かせる小技としては、ハープを多く使うことです。香草の香りで、薄味でも脂肪分が少なくても、カロリーが低く少量でも満腹感を与えることができそうです。ただしかなり料理のウデが問われそうです。

また、カモミールや緑茶などのリラックス成分を含むお茶を飲んで、ダイエット中の空腹のイラつきを抑えるという手もあります。どうしてもという場合には、食べ物の見た目の色を調理法で変えてみることや、食器の色を変えてみるなど色でくふうするのはどうでしょうか?

香りの中には近年、新たにやせる作用が研究成果として発表されたものがあります。たとえばラズベリーの香り成分には、脂肪燃焼作用が高いといわれているカプサイシンの約3倍の脂肪燃焼効果がある、というデータが発表されています。またほかのメ-カーからは、グレープフルーツの香りは副交感神経刺激で食欲を抑えるとか、コショウやほかのハープには体内の中性脂肪を燃焼させる働きがあることなどが発表されています。どちらも体に塗るボディローションその他のスリミング商品などが発売されました。

その商品の効能に関してのデータは取られていないようなので、実際にどのくらいの効能があるのかは明らかではありません。気になる方は、一度試してみてはいかがでしょうか? 


なぜ、香りで記憶が蘇るのか?

「皮のにおいを嗅ぐと、初めて野球のグローブを買ってもらったことを思いだす」と語ったタレントさんがいました。彼が初めて父親に買ってもらったグローブ。それほど裕福ではなかったときに、父親が子どものために無理して買ってくれた状況と、ずっとほしかったグローブを買ってもらった気持ちとが相乗して、強く脳に訴えかけたのです。その当時ではこのうえなく感じられた幸せが、皮のにおいといっしょになって、記憶に定着しました。においと強い感情がセットに記憶されると、非常に詳細にその状況を覚えていることが多いようです。これは誰もが一度は体験しているのではないでしょうか?

では、においが記憶のインプットに役立つかというと、まだメカニズムが解明されていないので、はっきりと断言はできません。

記憶のおもなものには、エピソード記憶と意味記憶があります。 「小学4年生の夏休みに北海道のおばあちゃんの家に行って、とうもろこしを食べたら、すごくおいしかった。それからとうもろこしが好きになったjというような個人的体験にもとづき記憶されるのが、エピソード記憶です。感情や体験をもとに物語のように記憶されるので、忘れにくいのがこの記憶です。また意味記憶は、学習での暗記記憶です。小学4年生では、数学で分数を習いました。分数は分母と分子から成り立つ、などと記憶したと思います。このような記憶が意味記憶で、とても忘れやすいのが特徴です、そこで無味乾燥に暗記するのではなく、物語性をつけて覚える暗記法が中学生になってからのエピソード記憶です。社会科の歴史で1192年鎌倉幕府設立を「いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府」のように語呂合わせをした記憶がよみがえりませんか? また「分数は、分母はお母さん、分子は子ども。だから母親の上に子どもがいるんだよ」というストーリーで覚えたという経験があると思いま
す。意味記憶をエピソード記憶に置き換える作業で、学校でも取り入れられている暗記方法ですね。

ではどうして味覚ではなく、触覚や視覚でもなく、嗅覚がこのように強い「記憶の引き出し効果」を起こすのでしょうか?

その理由の1つとして考えられるのが、嗅覚は五感の中でも原始的な感覚だからではないか、という推測です。視覚・触覚・味覚・聴覚はすべてそれぞれの目や肌や舌や耳を通じて得られた刺激が、脳の視床に集められ、それから、それぞれの脳の感覚分野へと運ばれます。しかし、嗅覚だけはこの視床を通らず、ほぼダイレクトに脳へ刺激が直送されます。ボクシングでもグローブというクッションなしで、ゲンコツをもらったら痛いですね。このように直に伝わった刺激が嗅覚と考えたとき、脳に与える影響力が、はかの五感と比較するとはるかに強いだろうと予測できます。

この記憶とにおいのしくみが科学的に解明されていたら、商品化して起業するチャンスでしょう。年々国家資格の試験は難しくなる一方です。合格の確率の低い試験に受がるために受験生用の暗記フレーバーや学習用アロマはニーズが高いものと考えられます。しかし、まだ現実には商品化されていません。

ここで、男性の方には朗報かもしれない実験結果があります。ある番組で「娘の好きなにおいはお父さんのにおい?」という実験を試みました。結果自分の父親の体臭がしみついたシャツを「いい香り」と申告したのです。幼いころからかわいがって育ててもらった親への愛着から、慣れ親しんだ香りが好ましいという選択をさせたのでしょう。フェロモンの謎を解く鍵も、もしかしてここに隠されているのかもしれません。


長時間続く香りとは

揮発性が低く、吸着性が高い物質は、そのにおいが残留します。 たとえば、靴下の蒸れたにおいの酪酸は、1滴こぼしただけで部屋中に充満し、何度脱臭を繰り返しても、においが1週間ほど残ります。消毒液のにおいの主成分のオイゲノールなども、どうしても取れないにおいの1つです。

また、香水の場合は、持続しやすい香りをベースに入れています。ベンソイン、パチュリ、オークモス、サンダルウッド、バルサムなどで、その多くは樹木から採った樹液などが材料です。粘度が高く揮発しにくいために長く香りが残ります。

これを物理化学的な面からみると、一般的に化学構造式の炭素数が1つ増えるにつれて、揮発性が低くなります。溶解温度に高くなり、粘度も高くなります。ただ、炭素数の数に比例してにおい濃度が強くなるということはないのです。また炭素数が1つ増えただけで、がらりとにおいの質が変化することもありますが、その原因はわかりません。物理化学的性質だけでは、においの正体はわからないようです。

そこで、なぜ合成香料は香りが長く続くのかについて考えてみます。答えは天然由来の揮発しやすいレモンやオレンジの皮抽出の香料は持続性がないから、その代替をレモングラスなど近いにおいのほかの天然由来の成分で探し、持続性が高いものをくふうして生みだした結果だからです。一般的に合成香料はこの天然香料の短所を補うために開発された香料です。合成香料の原料としては、その安全性から食品用途のフレーバーと香水用のフレグランスなどで使用してもいい原料が右表にまとめられています。石油より得られるエチレンやアセチレンなどのほかに、精油より分離されるテルペン化合物や油脂より得られる脂肪酸などを使い、これを化学反応させることにより合成香料となります。

昔、動物を使って実験していたときのこと、いつでもよく応答するN-アミルアセテートとリモネンを使っていましたが、あるとき、N-アミルアセテートにはよく応答するのにリモネンにはまったく応答が見られないときがありました。そこで、もっとも信頼のおける自分の鼻で嗅いでみたら、リモネンはまったくさわやかなレモンの香りがしなかったのです。あのべったりしたオレンンのにおいに変質していました。 D-リモネンというさわやかなレモン臭のする物質は、ふたを開けて数力月もたつと、なんとあのべっとりとしたオレンジのにおいに変化してしまうのです。つまり、すぐに新しいか古いかがわかるわけです。このリモネンは、発泡スチロールを溶かす物質としても使われているものです。

持続性や加工時の安定性だけではなく、原料になる天然資源が使えなくなったために合成香料で代用する場合もあります。ワシントン条約で禁止されている蔡香のように、代替品を化学合成で求めた結果、いまやムスクはほぼ合成香料という例です。

食べ物のにおいは、化学的にはアルコール、アルデヒド、ケドン、酸、エステル、フェノール類が大部分を占めます。たとえば果実類は低分子の有機酸とアルコールのエステルが主成分で、人工的にも合成しやすいです。レモンのシトラールやビーチのギ酸エチルなど、果実臭の芳香剤が多いのは、合成しやすいからなのです。

ほかにも、ナシはギ酸イソアミル、リンゴはギ酸アミルや酢酸イソアミル、酪酸メチルなどのにおい成分を含みます。味噌や醤油などの発酵食品は非常に複雑なにおいで、エステル系やアミン類、アルデヒド類、有機酸類、硫黄酸化物が混合されています。秋の味覚マツタケには、マツタケアルコールという芳香を放つアルコールと、桂皮酸メチルなどのエステル類が含まれています。

香料の持続性や安定性を求めた結果、カプセル化の技術も生まれました。水溶性の液体や洗剤に、揮発性の強いオイルである芳香成分を入れると分離してしまいます。水と油を混ぜる方法には乳化剤を使って親和させる方法がありますが、時間がたつにつれて、分離してしまいます。このような場合に、香るオイルを小さなカプセルに入れて、液体や洗剤、クリームなどに混ぜて分散させるという方法です。

これらは香りを使った技術のほんの1例で、技術革新は目覚ましいものです。まだまだこれから先におもしろい技術が生まれてきそうで、香りの技術からは目が離せません。


もっともくさいニオイとは

発酵とはすぱらしい錬金術であると、かの小泉武夫先生は申しております。そして、発酵にともなうにおいもすばらしいものであります。

この世でもっともくさいにおいのランキングにかならず登場するのが、スウェーデンのイワシ発酵缶詰「シュール・ストレミング」これが文句なしのくさい食品第1位でしょう。いまにも爆発し、悪臭を放出する恐れがあるので、空の密室で爆発されたら大変と、飛行機積載不可といううわさが立ったほどの缶詰です。でも輸入はされています。この缶詰は、いまにも暴発しそうにパンパンに膨らんでいます。気圧の関係からも爆発しやすく危険ではありますが、空輸可能だそうです。

第2位は韓国のホンオ・フェ。エイをつぼに入れ、10日ほど発酵させたものです。ものすごくアンモニア臭がきついのが特徴で、冠婚葬祭のときに食べる高級品です。長く口の中に入れておくと口の中がただれるということもあるそうです。うまいものを食べるためには試練が必要ということでしょうか。

次はまた缶詰で、ニュージーランドのエピキュアー・チース、缶詰の中で発酵させるため、これまた缶が暴発寸前。

以下、キビヤックというアザラシのおなかの中に、海燕の一種の鳥を60羽くらい詰めて、土の中で3年間発酵させたエスキモーの調味料があります。よく考えたものだと感心させられますが、焼いた肉などといっしょに食べる物だそうです。そしていよいよくさや、鮒鮨など日本製の登場となります。

食べ物のあとに、本格的な悪臭を入れるのは気が引けますがアンモニアや硫黄などはヒト粘膜系への刺激臭以外に、濃度が濃くなるにつれて、人体への悪影響があるものです。におってきたら気をつけましょう。最近話題の硫化水素自殺も硫黄の香りがしますので、感じたらすぐに避難すべきです。決して近づいて確認しようと思わないでください。プロに任せましょう。

毒ガス御三家とでもいえるようなこれら、アンモニア・硫黄系・塩素系などのにおいがしたら危険です。悪臭=危険と心得て、ベイオハザードには近づかないようにしてください。

そのガスがなにか、特定できずに被害を拡大させてしまった自殺の例が農薬土壌薫場剤の「クロロピクリン」。自殺のためにこれを飲んだ男性が、運ばれた病院で吐いた嘔吐物が気化して、刺激臭のある塩素系有毒ガスになり、病院内で救命にあたった医療従事者らに被害者がでました。

このような毒ガス系はにおいがあるものと、プロパンガス、都市ガスのように無臭のものがあります。 1995年1月17日の地下鉄ニリン事件でばらまかれたサリンは、純度が低かったのでにおいづしたそうですが、本来は無臭。純度の高い無臭のサリンだったら、本来の殺人ガスの脅威をふるったことでしょう。無臭なので原因がわからず、隔離や避難が遅れて、被害は大きくなっていたかもしれません。 


いい香りと悪臭の関係

 体臭が欧米人に比べて弱い日本人は、ちょっとしたにおいに対しても敏感です。それがはっきりわかるのが、海外では例をみない、制汗剤などの「無香料」の表示です。香りで体臭をマスキングする欧米人からは、およそ考えられないにおいの「無効化」の発想。世界をみても[無臭]が商品化されて消費者に支持されるのは日本だけ。においに敏感な鼻をもつ日本人ならではの感覚から生まれたものでしょう。においに対しては個人差もありますが、このように人種的なにおいに対する意識の違いによっても、感覚が異なります。

また、においの嗜好は文化によっても変化します。日本人なら誰でも好ましく思う、ご飯が炊ける香りですが、その一方で温泉のにおいを思いだしませんか? これは米ぬかに微量ですが硫黄物質が含まれるためで、西洋人には好まれない場合があります。

中国茶の定着と時期は違えども、日本に広がったジャスミン茶。中華レストランや中国茶の喫茶店などでもおなじみのお茶ですね、このジャスミンの芳香による鎮静・抗うつ作用に目をつけた実験があります。

京都大学とお茶の水女子大学の研究グループは、ジャスミン茶の香りで作業能率が高まることを確認しています。

まず茶菓25gに熱湯1Lを用いて抽出したジャスミン茶を水で20倍に薄めたもの。ほかに同様に濃度調節をしたラベンダーとペパーミントのアロマエッセンシャルオイル溶液を用意しました。

21~36歳の7人を対象に、入社試験などで行われるクレベリンテストと呼ばれる連続暗算のテストを行いました。 10分間の暗算のあと、5分間それぞれの香りを嗅がせて、ふたたび10分間暗算を行い、においを嗅いだ前後の正解率を比較しました。すると、ジャスミン茶の香りを嗅いだあとには、その前より10%正答率が上がったのです。なぜ、ジャスミンの香りがよい結果に結びついたのかはわかりません。そして、このジャスミンはとてもユニークな香りでもあるのです。

実は、ジャスミンのにおいの主成分は「スカトール」という物質です、これは糞便のにおいと同じ成分なのです。ジャスミンに対する見方が変わりますね。そのうえ、この香りは濃淡で驚くべき変化をとげるのです。このスカトールという糞便の香りを薄めていくと、ある時点でジャスミンの香りに変身するのです!

ジャスミンの例は希釈の度合いで悪臭になったり、好ましい香りになったりと、七変化する香りの不思議さを物語っています。

そして、日本人は鋭敏な鼻をもつために香りに対してさぞ厳しい意見をもつのではないかと思う一方で、ここでまた思いがけない裏切りデータを紹介します。

それは、においとストレスの関係です。ストレスが強くなると、ヒトの体内で抗酸化物質が減少していると仮定して、いい香り・いやな香りとヒトのストレスとの関係の実験を行いました。いい香りの代表は、ストレス緩和の目的で多くの方が利用しているアロマ テラピーです。いやな香りの代表は、蒸れた靴下のにおいのような酪酸のにおいです。

始めにアロマテラピーなどのいいにおいを嗅がせると、抗酸化物質の量は確かに増えていきます。でも嗅ぐのをやめると、すぐに以前の数値に戻ってしまいます。一方で、悪臭を嗅がせたところ、想像したほど抗酸化物質の量は減らないのです。しかし、この酪酸のにおいを嗅ぐのをやめると、抗酸化物質の量は急激にはねあがりました。この結果からいろいろな理由が考えられます。

ヒトはいやなにおいの環境から逃れたことでほっとして、急激に抗酸化物質が増加するということではないか、またはいやな環境から離れたいがために、知らず知らずのうちにがまんしているということです。芳しい香りがたちこめたいい環境下でも、人はそのにおいに慣れてしまいます。そうしたときにはストレスを解消する力も低減してしまい、結局いい香りがなかったときと同じ状況になるのです。反対にいやな香りのもとでは「とにかく早く解放されたい」という気持ちが強いのです。そのために、解放されたときの安堵感がとても大きいのです。この実験で、アロマテラピーのストレス解消効果が、悪臭を嗅いだあとよりも低いことが示されました。悪臭を見直すきっかけになるようなこの実験。残念ながら「悪臭を嗅いで、その後リラックス」というキャッチコピーで、嫌われがちな汗のにおいや、靴下の蒸れたにおいの酪酸、糞便臭のスカトールを逆アピールするのは難しそうです。

この現象は多くの人にとって、理論的に理解できても、やってみると体が拒否反応を起こす可能性があります。会社や工場などで作業を行うときに悪臭を嗅がせて、作業能率を高めて、早く終わらせる……このような状況をつくるための「悪臭リラックススプレー」を商品化して販売するのは、至難の業かもしれません。
 


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